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accidents

2010-12-14 (火) 12:04:06更新しました。

事件事故に巻き込まれた場合

1 動かさず,動かない

 証拠の観点からすると,何物も動かさず,できれば自分も動かないのがベストです。現場から110番や119番通報してください。
 現場にいれば,臨場した警察官に聞かれた時にも,「こっちからきてあっちに」とか,説明も簡単です。
 「家に戻って着替えてから」などと考えて,一旦帰宅し,自宅最寄りの警察署に行くと,警察署には管轄がありますので,こちらは現場の地名も番地もわからないのに,「現場はどこですか」などと聞かれます。
仕方なしに,地図を見せてもらい,「ここです」というと,「ああ,そこですか,そこなら,申し訳ありません,ここじゃなく,○○警察署なんですが・・・」と,○○警察署に行くように言われます。
思わぬところで手間取った上,そんな対応に色々心を動かしている内に,肝心の事件事故についての記憶が薄れて行きます。

 交通事故の場合,相手が「交通の邪魔になるから」などとして,自分の車両を移動させ,あなたの原動機付自転車も動かし,更に,衝突で路面に落下した車両の付属物もドンドン片付けていく場合があります。経験者です。
 止めるよう説得・交渉することも大事ですが,警察官が臨場する前に,証拠をもみ消そうとしていることが明らかですので,交渉は後回し。むしろ,こちらもドンドン携帯で写真を撮り,落下物があった路面に,何か堅い物で,印を付けるとかしておきましょう。衝突地点と落下物のあった位置とから,衝突時の加害車両の速度や衝突状況が推測できる場合もあります。

2 他人を当てにしない

 複数人が共謀して,ひったくりや強盗などをはたらく場合があります。しかも,仲間の一人が被害者担当となり,ショックを受けている被害者に近づき,親切そうに話しかけ,犯人を追いかける振りをして被害者に期待を持たせ,110番通報を遅らせ,仲間である犯人の逃走の時間を稼ぐのです。
 他人を当てにせず,自分の判断で事を進めてください。
 一般的に,普通の市民が被害者となったとき,110番して得る利益(犯人逮捕・被害品還付・損害賠償請求等々)と失う利益(捜査に協力するための時間とエネルギー等)とを比較すれば,得る方が大きいだろうと思います(捜査に協力するため休んだ場合,犯人側に休業補償が請求できます。)。
 「警察沙汰にする」という言葉がありますが,全く気にする必要はありません。

3 示談・損害賠償交渉は慎重に

(1) 最近相談を受けて驚くことに,被害者が加害者の氏名・住所を聞いても警察が教えてくれないという場合があるようです。
 逆のケース,加害者に被害者の属性を教えないという場合は,珍しくありません。が,被害者に教えないのには驚きます。
 その事件では,泥棒の被害者として警察から事情を聴かれた時に,相談者の方が「加害者の住所・氏名を教えて下さい」と言ったところ,警察官が,「後で弁護士さんが教えてくれるから・・・」と言葉を濁したそうです。そのため,相談者の方は,「ああ,後でまとめて教えてくれるんだな」と思ったそうです。

 その後,弁護士さんから被害弁償関係の連絡がありました。これかと思い,「そちらの住所・氏名を教えて下さい」と言ったそうです。そしたら,何と「そんなこと教えられませんよ」という答えだったそうです。

 結局,その方は,仕事の最中に泥棒の被害にあい,車を海に捨てられてはしないかと心配のあまり,その後の仕事を中断し,一緒に働いていた友達に頼み,都内から銚子港の先まで探しに行きながら,自分の休損も友達の休損も得られず,泥棒の住所どころか名前(氏は御存じです)も知らない状況です。

 なぜ,それほど,この国は,まじめに働き,納税し,家族を養っている健全・善良な人々の期待や善意・好意を踏みつけ,足蹴にし,一方,働かず,他人の車を盗み,適当に乗り捨てる類の泥棒達を護ろうとするのでしょうか。そのような対応の集大成が,国民の不安感を膨らませ,この国の治安を害し,人々のやる気を減殺し,国を衰亡へと追いやっていることに気づかないのでしょうか。

 その事件は,泥棒が執行猶予で社会に出られて,もはや終わっているそうです。相談者は,連絡の取れる警察官に連絡したところ,もう警察の手を離れたから,何にもできないと言われたそうです。
 「こんなことやってても,執行猶予で出られるんですね」と相談者の方は驚いています。
 すさまじい話です。お気の毒です。何とかしたいと思っています。
 できれば,もっと早く連絡が欲しいと思います。

(2) 貧しさ等から犯罪・非行に及ぶ場合もありますが,社会福祉がそれなりに備わった社会で,そのような古典的な動機による犯罪・非行の比率はさほど高くありません。
 子どもがこんなことをする家庭だから,損害賠償などできないだろうなどとの勝手な思い込みは捨てて,よくよく事情をたしかめるなど,示談・損害賠償交渉は,慎重に進めて下さい。
 犯罪者にも,「バレたらパクッた物を返しゃ済む」などという誤った軽い認識を改めさせなければなりません。そうしないと,更に事件を繰り返して起こし,別の被害者が続出することになります。

4 精神診断の必要,早めに

 事件事故後,熟睡できない,通勤途中,その時のことが思い出され,イライラと怒りがこみ上げてくる,仕事に集中できない,夜道,後ろを歩いている通行人が気になって仕方ない,こういうことが起こった場合,PTSD(Post Traumatic Stress Disorder 外傷後ストレス障害)かもしれません。医者の診断を早めに受け,「の疑い」(※)の診断書であっても,警察等の捜査機関や家庭裁判所調査官に写しを提出してください。
 ※短期間で確定診断はできないとされています。

 家庭裁判所調査官から被害者照会が送られて来たら,「警察でさんざ話したのに」とお思いでしょうし,家裁が損害賠償の仲介をするということもありませんが,もう一度だけ,回答書に記入の上送り返して下さい。

 事件事故から時間がたっているのが普通です。仲々捕まらなかった犯人がようやく捕まったのです。そして,審判を目前に,被害者の現在の意思を最終的に確認したいと考えたのです。

 被害者照会は,原則として,裁判官と調査官が協議して照会するか否かを決めています。ケースによって様々ですが,裁判官が,被害者の意思を確認しておきたいと考えて,調査官に照会を促す場合もあります。

 ひったくりや強盗は財産犯と呼ばれ,通例は盗られた物が戻れば精神面の損害はないとされますが,赤の他人の犯人がいじり回したかもしれないと思うと,気持ちが悪いのがあたりまえです。また,車両の場合,犯人は,どうせ他人の物と思って乱暴に運転し,手当たり次第に傷を付けています。更に,突然盗られたことでのショックも,無視することは適当でありません。
 こういう点を無視することの方がおかしいのです。
 きちんと請求し,裁判所にきちんと認めさせなければ,この国は益々悪くなって行くでしょう。 

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